日本合唱曲全集 白鳥/髙嶋みどり 作品集2

にほんがっしょうきょくぜんしゅう はくちょう/たかしま・みどり・さくひんしゅう・2

湘南市民コール松原混声合唱団

しょうなんしみんこーる、まつばらこんせいがっしょうだん

VZCC-99 (CD) 3,143円(本体 2,857円)

発売日: 2011年3月30日 / ジャンル: 合唱


▼曲目一覧

作品紹介

 『日本合唱曲全集』(全50枚)の続編となる新録音シリーズ、髙嶋みどり合唱作品集の第2弾。人間が人間であるところの所以である良心や良識の存在、その上に培われる、真実であり知であり希望と夢と理想であると同時に良心である“美”への希求を託した、3つの作品を収録。

 また、このCDは、美は、決して冷たく凛としてあるものではなく、私たちの心に確かな手応えをもって認識できるものであり、美を共有しようとする人たちは、個を突き抜けて今! 美の実現に到る事ができるのだということの証しでもある。ここにおさめられた3つの作品はどれも、こうした美への思いを直裁的に歌ったものであり、その思いを松原混声合唱団、湘南市民コールの皆さんが実現してくださった美の結晶である。
 殺伐とした現代に生きるものの一人として、大人たちにも今一度、「青臭い」、と一笑に付す事無く、若き日の人生への熱い情熱を思い出しながら、生きるという事について真剣に考えつつ聴いていただけることを願っている。

髙嶋みどり(ライナーノーツより)


アポリネールの詩による四つの無伴奏混声合唱曲集「白鳥」(1990)
委嘱・初演:福島女子高校合唱部
楽譜出版:音楽之友社
以下は上記出版譜に掲載された作曲者の言葉から。
“「露営のともしび」は冒頭の旋律にこの曲集の内容が凝縮されています。兵隊に駆り出された青年が一人物思いに耽ける夜半。死を身近なものに感じた時、人は最も人間の心が身近に欲しいと願うのかもしれません。以下の2曲で郷里に残された恋人への思いや、なつかしいシーンの回想が歌われます。「贈物」は輝く朝の光に満ちた響きのなかでの、青年の熱烈な恋の告白です。「白鳥」は湖畔での静かな美しい夕暮れ時の風景を回想します。満ち足りた安らぎを表現しています。「小鳥が歌う」は明るく軽やかな小鳥のさえずりから始まり、その音型が全曲を支配しています。青い小鳥に托された思いが、8分の5拍子の軽やかなリズムにのって優しく情熱的な旋律となって歌われます。”

無伴奏混声合唱組曲「若者たちの悲歌」(2009)
委嘱・初演:「おべんとうの歌」、「若者たちの悲歌」=石川県金沢二水高等学校合唱部、指揮:深見納/「父の唄」、「小さなスフィンクス」〔混声版初演〕=浜松合唱団、指揮:岸信介
楽譜出版:音楽之友社
以下は上記出版譜に掲載された作曲者の言葉から。
“テキストにはタイトルの通り、真摯に生きようとする12歳から17~18歳の若者たちが必ずと言っていいほど立ち止まり考え悩む、生きる事の本当の意味の模索(「何のために生きるのか、何故生きるのか、生きるとは何か」)や根本的な問いかけ、そして生きる事の『すばらしいすごさ』が、熱っぽく歌われています。曲もその精神を正面から捉え、上っ面のきれいなメロディーだけではない、地についた生命力あふれる生への賛歌として書きました。”

混声合唱組曲「青いメッセージ」(1984)
委嘱:早稲田大学グリークラブ
初演:山田一雄(指揮)、アンリエット・ピュイグ=ロジェ(ピアノ)、早稲田大学グリークラブ 1984年6月11日 簡易保険ホール
楽譜出版:カワイ出版
以下は上記出版譜に掲載された作曲者の言葉から。
“これは、草野心平詩集『蛙』の中の7つの詩をテキストとしました。蛙たちが切々と語る人生の哀歓が、私をその作曲へと導いてくれました。1曲目は「序」の役割を持ち、2・3・4・5曲目は死をテーマとしています。6曲目は、「春殖」の詩を導入部に用いた事も含め、大いなる生命の讃歌となっています。「日本語訳」も持った「蛙語」の、ごびらっふの独白は、「ばらあら ばらあ」という、おまじないにも似た叫びに象徴されるように、非常に力強い生命力を湛えています。”

〈ライナーノーツ〉
人間が人間であり続けること/髙嶋みどり
全詞章掲載
作曲者、演奏団体プロフィール

好評発売中
『誰かが時を・・・/高嶋みどり 作品集(日本合唱曲全集)』(VZCC-17)
『キャロルによるカノン/髙嶋みどり』(VZCC-95)
『マウイの風 髙嶋みどり~室内楽作品集~ コンサートライヴ』(VZCC-1010)

高嶋みどり(作曲家) プロフィール

 東京芸術大学・同大学院作曲家修了。日本現代音楽協会、日本作曲家協議会、会員。NHK委嘱作品NHK全国学校音楽コンクールの課題曲や全日本合唱連盟の課題曲、他数多くの合唱作品を作曲。日本現代音楽協会主催「春の音楽展」および同協会「80周年記念特別コンサートシリーズ」において「管弦楽のための《BABY UNIVERSE》2008」、「管弦楽のための《BABY UNIVERSE II》2010」、「ソプラノとコントラバスのための《デュエット》2011」を初演。NHK委嘱作品「オフィーリアの遺言~管弦楽と3人の歌手のための」、独奏曲「ピアノのための《マウイの風》」、「ピアノのための《BABY UNIVERSE》」、オペラ「室内歌劇金剛蔵王」などを作曲。CDは『マウイの風』、『誰かが時を…』、『キャロルによるカノン』など。ビクターエンタテインメント、日本伝統文化振興財団等からリリースされている。音楽之友社、カワイ出版等から、「若者たちの悲歌」(無伴奏混声合唱曲)、「秋‐相聞」(無伴奏女声合唱曲)、「HYMN」(無伴奏女声合唱曲)、「五つのパントン」(女声合唱曲)、「太鼓を叩け、笛を吹け」(無伴奏女声合唱曲)、「青いメッセージ」(混声・男声合唱とピアノ)、「白鳥」(無伴奏女声・混声合唱曲)、ピアノのための《マウイの風》等、出版多数。ジャンルにとらわれることなくドラマチックな展開を持つ作品の制作を持ち味とし、意欲的な作曲活動を展開中である。

Midori TAKASHIMA
Midori Takashima studied in the Department of Composition at the Tokyo Univercity of Fine Arts and Music as an undergraduate and graduate student, studying composition under Mareo Ishiketa and Michio Mamiya and conducting under Kazuo Yamada. She is a member of the Japan Society for Contemporary Music, the Japan Federation of Composers.

収録情報

2010年2月27、28日 八王子市民会館

収録曲

1 - 4

1

4

アポリネールの詩による 四つの無伴奏混声合唱曲集「白鳥」

あぽりねーる・の・し・による・よっつ・の・むばんそうこんせいがっしょうきょく「はくちょう」

アポリネール/(堀口大學 / 作曲:髙嶋みどり

合唱松原混声合唱団 指揮清水敬一

1

露営のともしび

(03'52")

ろえい・の・ともしび

2

贈物

(04'27")

おくりもの

3

白鳥

(02'20")

はくちょう

4

小鳥が歌う

(07'53")

ことり・が・うたう

5 - 8

5

8

無伴奏混声合唱組曲「若者たちの悲歌」

むばんそうこんせいがっしょうくみきょく「わかものたち・の・ひか」

谷川俊太郎 / 作曲:髙嶋みどり

合唱湘南市民コール松原混声合唱団 指揮清水敬一

5

おべんとうの歌

(05'39")

おべんとう・の・うた

6

父の唄

(04'58")

ちち・の・うた

7

小さなスフィンクス

(04'22")

ちいさな・すふぃんくす

8

若者たちの悲歌

(05'36")

わかものたち・の・ひか

9 - 14

9

14

混声合唱組曲「青いメッセージ」

こんせいがっしょうくみきょく「あおい・めっせーじ」

草野心平 / 作曲:髙嶋みどり

合唱湘南市民コール松原混声合唱団 指揮清水敬一 ピアノ斎木ユリ

9

月蝕と花火 序詩

(01'21")

げっしょく・と・はなび じょし

10

青イ花

(02'45")

あおい・はな

11

婆さん蛙ミミミの挨拶

(01'46")

ばあさんがえる・みみみ・の・あいさつ

12

秋の夜の会話

(02'15")

あき・の・よる・の・かいわ

13

サリム自伝

(05'36")

さりむ・じでん

14

ごびらっふの独白

(08'33")

ごびらっふ・の・どくはく

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