肥後の琵琶弾き 山鹿良之の世界語りと神事 (3枚組)

ひご・の・びわひき やましか・よしゆき・の・せかいかたり・と・しんじ

RITES and TALES with BIWA Yamashika Yoshiyuki, Blind Musician of Kyushu

山鹿良之

やましか・よしゆき

VZCG-8377 〜 8379 (CD) 6,285円(本体 5,714円)

発売日: 2007年4月25日 / ジャンル: 琵琶


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作品紹介

平成19年度 第62回 文化庁芸術祭優秀賞受賞作品

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熊本県玉名郡南関町出身で、国の選択無形文化財である肥後琵琶の演奏者だった 山鹿良之(やましかよしゆき)(芸名 玉川教演1901~96)の代表曲集です。

主に九州の中部で活躍した山鹿師は、東京でも公演を行うなど民族芸能関係者にはその名を知られていましたが、代表的レパートリー、「くずれ」「説教物」と呼ばれる長編物はリリースされていませんでした。
 
収録曲、《ワタマシ》(新築家屋のお祝いの際に演奏)は、九州地方での宗教儀礼の法具としての琵琶のあり方を示すもので、般若心経を琵琶の伴奏で唱え、あらゆる日本の神仏へ祈願円満を述べるところが圧巻です。また、九州の歴史を題材にした段物と呼ばれる長編、《菊池くずれ》(軍記物)や、いわゆる説教物と呼ばれている《あぜかけ姫》では、琵琶語りが、メディアが普及していなかった時代の庶民の娯楽になっていたことがわかります。
 
さらに解説書の《道成寺》歌詞は、兵藤裕己氏が書き起こした、曲節の種類の説明を記載した歌詞を掲載いたしました。こちらを参照しながらCDをお聞きいただくと、山鹿師の演奏のパターンを知ることが出来ます。また日本音楽文化研究者のヒュー・デフェランティ氏による英文解説も掲載。
 
琵琶語りひと筋に生き、最後の芸人と呼ばれた山鹿良之師。外題(演目)の数は1段30分以上のものが、頭の中に200段以上とも。その伝承量は全貌を把握しがたいほどなのですが、一端でもそのすごさをお聴き取りいただけたらと思います。

クレジット

語り・琵琶山鹿良之

収録曲

Disc 1

1

ワタマシ

(23'33")

わたまし

Watamashi

作詞:不詳 / 作曲:不詳

[録音] 1963.7.31録音 熊本市立熊本博物館所蔵【モノラル録音】

2

道成寺

(29'11")

どうじょうじ

Dôjôji

作詞:不詳 / 作曲:不詳

[録音] 1989.10.14 山鹿良之宅にて録音 兵藤裕己所蔵【ステレオ録音】

Disc 2

1 - 2

1

2

菊池くずれ

きくちくずれ

Kikuchi Kuzure
作詞:不詳 / 作曲:不詳

[録音] 1974.9.26 RKK熊本放送スタジオにて録音【ステレオ録音】

1

一段三段

(50'59")

いちだんさんだん

2

五段より

(19'51")

ごだんより

Disc 3

1

あぜかけ姫

(59'08")

あぜかけひめ

Azekakehime

作詞:不詳 / 作曲:不詳

[録音] 1970.10.6 山鹿良之宅にて録音 野村眞智子所蔵【モノラル録音】

2

インストルメンタル

(01'55")

いんすとるめんたる

Instrumental excerpt

作詞:不詳 / 作曲:不詳

[録音] 1974.9.26 RKK熊本放送スタジオにて録音【ステレオ録音】

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