銅鐸——黄金の鼓動[SHM-CD]

どうたく おうごん・の・ぱるす

DŌTAKU Ancient Japanese Bronze Bells from Yayoi Period(B.C.400 A.D.250)

土取利行

つちとり・としゆき

Toshi Tsuchitori

VZCG-684 (SHM-CD) 2,619円(本体 2,381円)

発売日: 2008年7月23日 / ジャンル: 古代音楽クロスオーバー


すべてのCDプレーヤーで再生可能な高音質CD SHM-CD(Super High Material CD)とは、通常のCDとは別種の、液晶パネル用ポリカーボネート樹脂を採用。素材の透明性が格段に向上したことにより、マスタークオリティに限りなく近づいた高音質CDです。

※SHMは、ユニバーサルミュージック株式会社と日本ビクター株式会社(現 株式会社JVCケンウッド・クリエイティブメディア)の登録商標です。

▼曲目一覧 (試聴できます)

作品紹介

弥生時代の謎に挑戦した
前人未到の銅鐸演奏
畝傍山山頂に渦巻く衝撃のメタリック・パルス

間章との即興演奏運動を経て欧米に雄飛し、ピーター・ブルックとの邂逅から世界各地のプリミティヴな音楽文化を直接吸収する稀有な体験を重ねた後、土取利行は、母国日本の音楽文化の源流に向けて本格的な探究を開始します。その最初の輝かしい成果が、このアルバムでした。

古代文化は文字による記録が残っていないため、「再現」という手段には限界があります。土取利行のアプローチは、綿密な周辺情報の収集(文献および現地の調査、響きの検証)という準備の中で、古代の人々が何を考え、何を感じていたのかを見極めることから始まります。そして当時の人々の生活全般を支配した精神の世界に触れることを通じ、世界や自然と交感する古代人の魂の内実が発する響きに同調し、それを類稀な即興演奏によって解放していきます。

近代以降が作り上げた「音楽」という枠組みとは無縁の、より始原の音の世界を探究する土取利行という音楽家の存在は、遥かな時を超えて古代の感興を呼び起こす現代の音のシャーマンと言えます。

星空の下、奈良県畝傍山山頂で深夜から明け方まで行なわれた銅鐸の演奏は、ヤカタに吊るされた21個の銅鐸の音と同時に、山中の自然音や気配の響きもふんだんに収録されており、美しく長い余韻を響かせる金属の響きは、黄金色の輝きを放ちながら、明け方の鳥の鳴き声と溶け合って精神を浄化していきます。

今回の待望の再発は、オリジナルマスターからの最新リマスタリング、今話題の高品質CD、SHM-CD(スーパー・ハイ・マテリアル・CD)によるリリースです。通常のCDとは別種の液晶パネル用のポリカーボネート樹脂を使用することにより素材の透明性をアップ、マスター・クオリティに限りなく近づいた高音質CDです。本作「銅鐸」は発売時に専門誌の録音評で満点を獲得するなど、音が良いという点で大変話題になった伝説的作品です。

SHM-CDはすべてのCDプレーヤーで再生可能です。

<ライナーノーツ>

銅鐸演奏日記/土取利行(2008年)
銅鐸の祭礼/桃山晴衣(1983年)
再現銅鐸/久野邦雄(1983年)
English brief liner notes enclosed

Official Website 「土取利行の音楽世界」
http://homepage2.nifty.com/w-perc/

土取利行(つちとり・としゆき)

1950年香川県生まれ。70年代よりパーカッショニストとして近藤等則などと尖鋭的な即興音楽を展開。音楽評論家・間章との邂逅で即興演奏集団EEUを結成。75年日本を離れ、ニューヨーク、パリを拠点に、ミルフォード・グレイヴス、デレク・ベイリー、スティーヴ・レイシーなど多くの即興演奏家と共演。76年からはピーター・ブルック国際劇団の演奏家、音楽監督として「マハーバーラタ」「テンペスト」「ハムレットの悲劇」など数々の作品の上演に携わる。並行して世界各地を巡り、様々な民族音楽や舞踊を習得。その後、日本音楽の源流を求める旅へと向かい、10年に及ぶ調査・研究を経て、旧石器時代、弥生時代、縄文時代に光をあてた前人未到の古代の音再現プロジェクトを実現し話題を呼ぶ。CD:古代三部作「銅鐸」「サヌカイト」「縄文鼓」(ビクター)、LD「縄文の音霊」(NHK)を発表。これにより日本の音楽史に新たな一頁を加えセンセーションを巻き起こす。87年音楽家の桃山晴衣と岐阜県郡上八幡(ぐじょうはちまん)に活動拠点「立光学舎(りゅうこうがくしゃ)」を設立。地元の文化活動にも力を入れ、地元に残された貴重な古い民俗芸能音源を『郡上のうた』としてCD復刻(2CD:VZCG-8062~3 財団法人日本伝統文化振興財団)。88年「マハーバーラタ」日本公演、銀座セゾン劇場。日本・インド祭でセゾン美術館主催のタゴール展の企画・監修・出演。90年、第二回古川町音楽大賞奨励賞受賞(選考委員:武満徹、諸井誠ほか)。95年メキシコ古代楽器グループ「トリブ」と共演。翌年、北米インディアン、イロクォイ族の音楽を調査。96年より伎楽の呉鼓(くれつづみ)を象徴とする、日本発の新しいサウンド創りに取り組む「スパイラル・アームズ」を結成。99年、岐阜県の織部賞(知事賞)受賞。2001年、南仏ピレネー山麓の旧石器時代壁画洞窟、レ・トロア・フレール洞窟で演奏、ヨーロッパ先史時代の音楽研究に着手。2002年、香川県県民文化会館における「縄文鼓、アイヌ・ソングとの響宴」で安東ウメ子とトンコリ奏者オキを招聘し共演。NHKハイビジョンスペシャル番組で写真家の港千尋とナビゲーターを務めフランスの先史時代壁画洞窟を訪ね、古代楽器を演奏(翌2003年、NHK総合、ハイビジョン放送にて「暗闇に残されたメッセージ 人類最古・洞窟壁画の謎」として放映)。2004、2005年、ピーター・ブルック演出「ティエルノ・ボカール」ワールド・ツアー。2006年、ドラムスによるフリー・インプロヴィゼーションを再開。著書に「螺旋の腕」(筑摩書房)、「縄文の音」、「壁画洞窟の音」(青土社)、訳書「音の神秘」(ハズラト・イナーヤト・ハーン著、平河出版社)がある。

PROFILE / Toshi Tsuchitori

He started his music career as a percussionist and free improviser in the 1970s. Since then, he has been played with Milford Graves, Derek Bailey, Steve Lacy and other world musicians. In 1976 he started work with Peter Brook's international theater group as leading musician and worked on various projects including 'The Mahabharata' 'Tempest' 'Hamlet' etc.

He has done extensive research on the world's ethnic music and dance, especially Asian and African. In the 1980s he presented three Japanese archeological music works, "Dōtaku; Ancient Japanese Bronze Bells from Yayoi Period (B.C.400-A.D. 250)", "Sanukaito; Stone sounds of the Paleolithic Era in Japan", "Jōmonko; Pottery Drums of Jōmon Period(B.C.3000-B.C. 2500)". He continues to searching for the roots of ancient Japanese music.

Also he created Ryuko Gakusha(private art center)in 1988 with Harue Momoyama in Gujo Hachiman, Gifu Prefecture and has contributed vastly to the region's culture.

収録情報

1983年4月7日(午前2時45分から午前6時)奈良・畝傍山山頂

収録曲

1

(03'05")

たたえ

tatae

作曲:土取利行

銅鐸土取利行

2

流水

(10'10")

りゅうすい

ryusui

作曲:土取利行

銅鐸土取利行

3

畝傍

(06'31")

うねび

unebi

作曲:土取利行

銅鐸土取利行

4

気吹

(03'15")

いぶき

ibuki

作曲:土取利行

弥生笛土取利行

5

雷神

(09'06")

らいじん

raijin

作曲:土取利行

銅鼓銅鐸土取利行

6

黎明

(11'25")

れいめい

reimei

作曲:土取利行

銅鐸土取利行

time:0.4 s


SHM-CDの特長/楽しみ方

● 素材の透明性そのままの、分離の良いクリアなサウンドをお楽しみいただけます。ガラスの曇りを拭き取ったかのような見通しの向上によって、今まで聴き逃していた音の存在に気づくこともあるかもしれません。

● オーディオで最も難しいといわれる低域の量感が引き出された、スケールの大きなサウンドをお楽しみいただけます。全体の音圧が増したように感じられることもありますが、マスター上でのレベル調整等は一切行っておりません。

● マスターに忠実な奥行きある音場の中に、フォーカスの引き締まった音が正確に定位する、粒立ちの良い立体感溢れるサウンドをお楽しみいただけます。スピーカーを通して聴けば、ライヴ会場やスタジオの雰囲気をそのまま持ち込んだような空気感、実在感を、より感じ取っていただけるはずです。

● まろやかでアナログライクなサウンドをお楽しみいただけます。大音量のリスニングにも聴き疲れすることがありませんので、近隣を困らせない範囲にヴォリュームを上げてお楽しみください。

※ 通常CDとの比較における音質変化の度合いは、再生環境によって異なります。

※ SHMは、ユニバーサルミュージック株式会社と日本ビクター株式会社(現 株式会社JVCケンウッド・クリエイティブメディア)の登録商標です。