朗読・宮城道雄随筆集①
「雨の念仏」〈上〉

ろうどく・みやぎ・みちお・ずいひつしゅう・1 「あめ・の・ねんぶつ」〈じょう〉

朗読河内桃子滝田裕介

こうち・ももこ、たきた・ゆうすけ

VZCG-661 (CD) 2,200円(本体 2,000円)

発売日: 2008年2月20日 / ジャンル: 朗読


▼曲目一覧

作品紹介

朗読・宮城道雄随筆集

「春の海」で知られる箏の天才宮城道雄の詩情豊かな随筆集を、名優の朗読で聞くシリーズ。(1990年より、カセットテープで発売されていた商品の復刻CDです。)全14巻をリリース予定で、今回は「雨の念仏〈上〉」、「雨の念仏〈下〉」、「騒音〈上〉」、「騒音〈下〉」の4タイトルを発売します。

意外に知られていないかもしれませんが、宮城道雄は昭和31年に亡くなるまでに7冊の随筆集を出版しました。「雨の念仏」は昭和10年に上梓された最初の随筆集です。「雨の念仏」が世に出ると、佐藤春夫、川端康成、谷川徹三らが激賞し、「喋るように書けという僕の文章論が実現されて、異常に成功しているのは甚だ愉快である。」と佐藤は書評に書いています。

宮城道雄が8歳の頃に目が不自由になってから体験したさまざまなエピソードを、時にはスパイスをきかせた、ユーモアを織り交ぜながら綴った文章の中から、演奏家としての姿とは違った一面を伺うことができます。

「よく子供などが稽古に来た時、行儀を悪くしているのはすぐわかる。私がちゃんと坐ってというと、びっくりして坐り直す。
 それで思い出したが、ある夏の暑い日のことであった。尺八の合奏に来た書生が、私にわからぬように、そうっと着物を脱いで吹こうとした。その時、私が、裸で涼しいでしょうなといったら、その書生は驚いて着物を着たことがあった。」(音の世界より)

もちろん音の世界に関しては多くの記述がありますが、それにともなって歴史の背景も垣間見ることが出来るので、とても興味深く読み進めることが出来ます。

「私の住んでいるところは、省線までよほど離れているけれども、雨が降る前とか、天気の悪い時などには、戸外の物音がはっきりきこえてくる。遠くを走っている省線電車の音が聞こえる時は、雨だなと思うのである。」(音の世界より)

また宮城道雄は、伊藤博文をはじめとするたくさんの著名人と接し、来日した多くの音楽家とも交流、戦後にはヴァイオリニスト、アイザック・スターンとも共演しています。

そんな体験談がつまった随筆を、河内桃子さん、奈良岡朋子さんら名優の朗読で聞くのは、一味違った楽しみ方に思われます。

宮城道雄がこよなく愛した音の世界に、是非一度耳を傾けてみていただきたいと思います。

クレジット

朗読河内桃子(18)、滝田裕介(914) 村田章子

収録曲

1

遠近

えんきん

随筆:宮城道雄

2

純粋の声

じゅんすい・の・こえ

随筆:宮城道雄

3

勘違い

かんちがい

随筆:宮城道雄

4

モデル

もでる

随筆:宮城道雄

5

戻り道

もどりみち

随筆:宮城道雄

6

薗兼明先生

そのかねあきせんせい

随筆:宮城道雄

7

演奏余談

えんそうよだん

随筆:宮城道雄

8

雷鳴

らいめい

随筆:宮城道雄

9

郊外散歩

こうがいさんぽ

随筆:宮城道雄

10

内田百閒氏のお稽古

うちだ・ひゃくけんし・の・おけいこ

随筆:宮城道雄

11

森田晉の思い出

もりた・しん・の・おもいで

随筆:宮城道雄

12

軒の雫

のき・の・しずく

随筆:宮城道雄

13

なぞ

随筆:宮城道雄

14

聴衆と読者

ちょうしゅう・と・どくしゃ

随筆:宮城道雄

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