ビクター邦楽名曲選 18 山田流箏曲名曲集
びくたー・ほうがくめいきょくせん・18 やまだりゅうそうきょく・めいきょくしゅう
中能島欣一、中能島慶子、吉田純三、品川正三、納富寿童、市村綾能、川村多美能
なかのしま・きんいち、なかのしま・けいいち、よしだ・じゅんぞう、しながわ・しょうぞう、のうとみ・じゅどう、いちむら・あやの、かわむら・たみの
収録曲
1 |
六段調ろくだん・の・しらべ |
||
---|---|---|---|
作曲:八橋検校 箏:中能島欣一 | |||
2 |
臼の声うす・の・こえ |
||
作詞:不詳 / 作曲:藤尾勾当、三世 山登松齢 歌:中能島慶子 箏:中能島欣一、吉田純三 三弦:品川正三 | |||
3 |
都の春みやこ・の・はる |
||
作詞:鍋島直大 / 作曲:三世 山勢松韻 歌・箏:中能島慶子 箏:中能島欣一 三弦:品川正三 尺八:納富寿童 | |||
4 |
乱輪舌みだれりんぜつ |
||
作曲:八橋検校 箏:中能島欣一 | |||
5 |
さらしさらし |
||
作詞:不詳 / 作曲:北沢勾当、深草検校 歌:中能島慶子 箏:中能島欣一、吉田純三 三弦:品川正三 | |||
6 |
岡康砧おかやすぎぬた |
||
作詞:不詳 / 作曲:不詳 歌・箏:中能島欣一 箏(本手):市村綾能 第一替手:中能島慶子、川村多美能 第二替手:吉田純三 三弦:品川正三 尺八:納富寿童 |
time:0.3 s・
作品紹介
山田流箏曲の代表的名曲名演を集めたアルバム。解説書には詞章を掲載。
『六段』は中能島欣一による名演を収録。
『臼の声』は四季の推移を読み込んだ内容と多くの聞かせどころで大変に人気のある作品。(昭和44年5月録音)
『都の春』は明治時代、東京音楽学校の開校にふさわしい新傾向の作品。手事形式の教科書的規範ともいうべきものとなっていて、既存の古典曲のいろいろな類型が巧みに盛り込まれている。(昭和39年7月録音)
『乱輪舌』は掻手が多用され、十二段(山田流)を追うに従って変奏の度合いが強くなっていく。(昭和37年7月録音)
『さらし』は宇治川の布さらしを音楽的に表現しようとしたもの。布をさらす動きや水の流れる音を擬した表現も聴かれる。(昭和46年7月録音)
『岡康砧』は砧の擬音的リズムをいろいろな音型で表現して、これを組み合わせて一曲としたもの。ここで聴くことのできる中能島欣一の編曲は、固定された『岡康砧』の旋律型に古典的な格調と近代的な感覚の融合から生まれた多音性をつけることによって、現代に生きる古典としての日本音楽の器楽性を十分に誇示したものといえよう。(昭和38年4月録音)
解説:吉川英史